重いWindowsの症状別 高速化
Windows にあまり詳しくない人向けの症状別 Windows 高速化のヒントです。
Vista に関しては、Vista の高速化のページに少し詳しくまとめておきましたので、そちらも参考にしてください。
Windows
を使っていて、最初はよかったのだけれども、だんだん遅くなって、重くてとても使ってられないという話をよく聞きます。これまでいろいろと頼まれて、調べてあげたことがありますが、たいてい重くなった原因があって、それを取り除いてあげると、さくさく動くようになりました。
Windows
にあまり詳しくないと、どこから手をつけたらいいのかわからないという方が多いと思いますので、ここでは、症状別に何が遅いのかを突き止める方法を自分なりに作ってみます。
症状1: 起動が遅い
起動時にいろいろなソフトの起動に時間がかかる
Windows
にいろいろなソフトをインストールしていると、その起動のために遅くなります。たとえば、メッセンジャー、スカイプ、iPod
などをインストールしている、ログイン後にロードしますので、非力なPCだとかなり時間を食います。
使用しないソフトは、アンインストールしましょう。
以前、知り合いから、自宅のPCが遅くてしょうがないので、見てくれということで調べたことがあります。いろいろ調べたら、起動時に10個以上のプログラムが動作するようになっていて、それで遅くなっていました。あちこちのサイトで、いろいろ拾ってインストールしたようですが、ほとんど使っていない状態でした。おまけに、ウィルスにも感染しまくりで、ひどい状態でした。あまりわけのわからないソフトはインストールしないほうがいいですよ。
Windows XP
[スタート]→[すべてのプログラム]→[スタートアップ] にWindows
起動時に実行するプログラムが登録されていますから、ここから削除します。
Windows Vista
[コントロールパネル]→[システムとメンテナンス]→[パフォーマンスの情報とツール]→[スタートアッププログラムの管理]
より、無効化することができます。
Windows Update 後の再起動により、遅くなる場合がある
スタートアッププログラムがあまりないのに、やたら起動が遅い場合があります。直前に、Windows
Update により再起動を要求されていませんか? もしそうであれば、Windows Update
により再起動時に更新プログラムをバックグラウンドで起動している場合があります。遅いPCでは、10分以上ディスクがガサガサ言って、遅くて使えない状態が続く場合があります。
このときの症状としては、タスクマネージャーで状態を確認すると、特にアプリケーションが動いていないにもかかわらず、CPUが100%に近い状態になり、ディスクがカサカサ動いている状態になっていると思います。
もし、Windows Update
による再起動に心当たりがある場合には、しばらく落ち着くまで待ちましょう。遅いなぁ〜と、あれこれいじると、ますます遅くなります。大体、10分ぐらいあれば、落ち付いてくると思います。
スリープモードを使う
スリープモードを使うと、低電力状態で、現在のWindows
の状態をメモリ上に保持することができます。毎日、何回か起動、シャットダウンを繰り返すのであれば、スリープモードを活用しましょう。これだけで、数秒〜数十秒で起動できるようになります。
スリープモード時の消費電力はかなり低いので、毎日使うようであれば、スリープモードにしておくことをお勧めします。
症状2 時々、ディスクがガサガサ動いて遅くなる
アンチウィルスソフトのデータ更新をチェック
意外と盲点なのが、アンチウィルスソフトです。先日、会社でめちゃくちゃ重いくて遅い PC
がありました。持っている人に聞いたら、いつも遅くて困っているとのこと。早速、性能を調べてみると、Windows
XPで、512MB、セルロン
1.6GBだそうです。今となっては、かなり遅い部類ですね。それでも、起動直後でほとんどアプリケーションが走っていないにもかかわらず、めちゃくちゃ重くって、タスクマネージャすら起動できないような状態でした。
そこで、タスクマネージャで調べてみると、なんとアンチウィルスソフトが CPU 100%
食いまくっているではないですか。アンチウィルスソフトの設定を調べてみたら、PC起動時に、更新を調べに行く設定になっていました。もともと遅いPCなので、ウィルスソフトが更新を調べに行くだけで、CPUを食いまくって、起動後数十分は、重くって動きが取れない状態になっていました。よくまあ、毎朝こんな遅いPCをよく我慢して使っていたもんだと、驚きました。
そこで、ウィルスソフトの更新を調べに行く時間を昼食時に変更しました。この設定だけで、通常業務時間はさくさく動くようになりました。
更新方法は、書くウィルス対策ソフトの説明書を見てください。
症状3 深夜に突然遅くなる
Windows Update の時間を変更する
同様に定期的に実行されるものとして、Windows Update があります。これは、Windows
のセキュリティパッチなど、重要な更新を行うものですから、止めてはいけません。デフォルトでは、深夜の
03:00
に新しい更新プログラムのインストールがどうさするようになっています。この自動更新が行われるときには、かなりマシンパワーを食われますので、たとえば昼休みなど、普段使わないけれど、電源が入っている時間帯にセットしておきましょう。
Windows XP
変更方法は、次のように[コントロールパネル]→[セキュリティ センター]→[自動更新]から行います。
Windows Vista
変更方法は、次のように[コントロールパネル]→[セキュリティ]→[設定の変更]から行います。
Windows Update のプロセスは、update.exe、wuauclt.exe、MRT.exe
です。
Windows Defender の時間を変更する
Windows Defender
は、スパイウェアなどの迷惑ソフトウェアが原因で発生するポップアップ表示、パフォーマンス低下、セキュリティ上の脅威からコンピュータを保護することで生産性の低下を防止する無償プログラムです。
推奨設定ですと、夜の2時にスキャンが開始します。Windows
Defenderは、定期的にコンピュータをスキャンします。これも、かなりコンピュータのリソースを食いますので、たとえば昼休みなど、普段使わないけれど、電源が入っている時間帯にセットしておきましょう。
Windows Vista
Windows Vistaの変更方法は、次のように[コントロールパネル]→[セキュリティ]→[Windows
Defender]→[ツール]→[オプション] から行います。
Windows XP
Windows XPの変更方法は、次のように[スタート]→[すべてのプログラム]→[Windows
Defender]→[ツール]→[オプション] から行います。
Windows Defender
がスキャン実行時にタスクマネージャーで調べると、次に要になっていると思います。
スキャン実行時のプロセスは、MsMpEng.exe、MSASCui.exe
です。スキャンしていないときは、これらの2つのプロセスのCPU消費量は、ほぼ0になっているはずです。
症状4 Word、Excelなどを使っていると急に遅くなる
メモリ不足かどうか、確認しよう
Windows
を起動したときはいいのだけれど、WordとかEXCELとかを使っていると、急に遅くなて来る場合には、メモリ不足が考えられます。タスクマネージャーを起動して、メモリ状況を確認してみましょう。
タスクマネージャーは、CTRLとシフトキーと、エスケープキーを同時に押して、タスク
マネージャを起動します。
また、タスクバーのアイコン以外の部分を右クリックすると、次のようなメニューが表示されますので、ここからもタスク
マネージャを起動できます。
タスクマネージャを確認してみて、次の症状であれば、ほぼメモリ不足といって間違いないでしょう。
-
CPUがあまり動いていない。
-
メモリが目いっぱい使われている。
-
ディスクがガサガサ動いて、Windows の反応が悪い。
このような状態になっていると、CPUはほとんど遊んでいるのですが、ディスクがガサガサ動作しっぱなしで、Windows
はほとんど動きが取れない状態に陥るスラッシング状態となります。
スラッシングとは、このようにシステムが必要とするメモリが確保できないため、ディスクへ使われていないメモリ(ページ)を書き出し、かわりに必要となるメモリ(ページ)を読み込み、動作を継続しようとしますが、ディスクへの入出力は非常に時間がかかるため、これがオーバーヘッドとなり、システムがほとんど停止状態に陥ることを言います。
メモリ容量の確認とメモリの増設
メモリを増設するとかなりの効果があります。その場合、ふだんどのぐらいメモリを使用しているのか、タスクマネージャで確認してから、必要に応じて増設しましょう。
Vista
の場合、[コントロールパネル]→[システムとメンテナンス]→[システム]→[RAMの量とプロセッサの速度の表示]から確認できます。Vista
では、Microsoftによると、1GB以上のメモリ搭載量が望ましいです。
Windows XPの場合は、[コントロールパネル]→[ヘルプ]→[バージョン情報]で確認できます。
高速なCPUに乗せ換えるお金があるなら、メモリを買いましょう。高速なCPUを買っても、メモリが不十分であれば、宝の持ち腐れです。メモリの増設は、かなり効きますよ。
こまめにアプリケーションを終了する
メモリーが追加可能であれば、メモリーを追加します。しかし、この症状の場合には、おそらくメモリは512MB程度しか積んでいない場合が多いと思います。また、メモリーを追加しようにも、古いPCだと追加できない場合があると思います。
もし、メモリーを追加できないのであれば、対策は1つだけで、使わないアプリケーションを終了するしかありません。タスクマネージャーのメモリ使用状況を確認しながら、こまめにアプリケーションを終了するようにしましょう。
特に、インターネットエクスプローラーを複数立ち上げておくと、かなりメモリを消費しますので、注意しましょう。
また、PowerPoint、Word
もページ数が多く、複雑なものは、かなりメモリを消費します。せめて1ファイル50ページいかぐらいにしたほうがいいです。
症状5 インターネットエクスプローラーが遅い
ネットワーク速度は?
インターネットエクスプローラーでいろいろ見ているときに遅いと感じている場合、ネットワーク速度計測サイトで、どのぐらいのスピードなのか計測できますので、試してみてください。
お勧めは、USEN
のスピードテストで、うさぎやカメなど、動物で速さを表示してくれるので、どのぐらい早いのかわかりやすいです。
さて、結果はどうでしたか?
もともと回線が遅いのであれば、高速回線に切り替えたほうがいいでしょう。
もし、回線が光など十分早いはずのに速度が出ない場合は、宅内の回線が細い可能性があります。たとえば、次のように接続されている場合、公称100MBps
の光でも途中のハブの10MBps に律速されて、数MBpsしか出ません。
プロバイダー
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100MBpsベストエフォート
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モデム(100MBps)
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ルーター(1000MBps)
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ハブ(10MBps)
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無線ルーター(56MBps)
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PC(1000MBps)
もともと早い回線を契約しているのに、速度が出ない場合は、途中回線をチェックしてみましょう。
複数インターネットエクスプローラを起動していませんか?
インターネットエクスプローラを複数起動していたり、複数のタブを開いておくと、当然その分メモリを食います。症状4で説明したように、メモリが少ないのに、大量のアプリケーションを起動すると、急に遅くなります。タスクマネージャーでメモリの消費量を確認して、メモリが不足している場合には、不要なインターネットエクスプローラーを閉じたり、開きっぱなしのタブは閉じましょう。
症状6 3Dゲームが遅い
グラフィックスボード載せていますか?
最近のPCでは、標準で3D
グラフィックスアクセラレータを載せていますが、ちょっと古いPCだと、3D
グラフィックアクセラレータを載せていないものがあります。3Dゲームをしたいならば、3D
グラフィックスボードは必須と考えてください。
3Dグラフィックスアクセラレータが載っていなければ、デスクトップPCであれば、3D
グラフィックスボードを搭載することにより、劇的に早くなります。ただ、PCI Express
などいろいろなインターフェース(接続方法)がありますので、十分仕様を調べてから買いましょう。そうでないと、買ったのに接続できないとか、接続できたのに動かないというようなことになってしまいます。
ノートPCの場合は、グラフィックスボードを追加できないので、残念ながら買い替えるしかありません。